바람계곡의 나우시카 - 일본어 대본 - 2


바람계곡의 나우시카 - 일본어 대본-상


1편에서 이어진다. 너무 길기때문에 상하로만 나누었다.


[村の 入り口から 村へ]

さま

ゴル:オオ, ユパ様!

ムズ:ようこそ.

みなそくさい

ユパ:おお, 皆も 息災か.

みずかぜとどこおおだ

ムズ:ははは, 水も 風も 滞りなく 穏やがです.

さま

子供:ユパ様---っ!

げんき

ユパ:やあ, みんな 元気だね.

さま

男:オ---, ユパ様だ!

まもうさま

男:お待ち 申しとりました ユパ様.

人達:はははは──

ひめさまつ

ミト:姫様, お着きに なりましたぞ!

ナウシカ:もう ちょっと.

さま

ミト:ユパ様!

せいで

ユパ:ミトおじ, 精が 出るな.

こよいいこくはなきくだ

ミト:今宵は また 異国の 話しを 聞かして 下さい---!

まわ

ナウシカ:いいわ, 回して.

ミト:いいようですな.

ナウシカ:うん.

ほんとうしな

ゴル:おお, 本当に よい 品じゃ.

さっそくあすひとでくだとい

ムズ:早速 明日にでも 人手を 繰り出して 取りに 行かねばな.

ナウシカ:さあ, トエト.

トエト:ええ.

さまことしうこ

ナウシカ:ユパ様, 今年 生まれた トエトの 子です.

ユパ:おお, どれどれ.

こおさなころおもだ

うん… よい 子だ. 幼い 頃の ナウシカを 思い出す.

こなづおや

トエト:どうか, この 子の 名付け親に なって 下さいませ.

かぜこふ

婆:いつも いい 風が その 子に 吹きますように!

ひうなおく

ユパ:引き受けよう. よい 名を 贈らせて 貰うよ.

ありがとひめさまじょうぶそだ

トエト:有難う…! どうか 姫様のように, 丈夫に 育ちますように!

じょうぶひめさまおりがみふかいあそにこま

ミト:ふうん, 丈夫というなら 姫様は 折紙つきじゃ. だが 腐海遊びまで 似ると 困るぞ.

かげオ-ムからみ

ナウシカ:でも, お陰で 王虫の 殻を 見つけたのよ.

しろみしんぱい

ミト:しかしだ, 城おじの わしの 身に なって みろ. 心配で オチオチしておれんわい?.

オ-ムからひめさまふかいあそむだい

ゴル:ははは, 王虫の 殻と なりゃ, 姫様の 腐海 遊びも 無駄とは 言えんな.

たす

ユパ:そうとも, わしも それで 助けられたのだからな.

皆:ははは-----! 

[ジルの 部屋]

おこたす

ジル:ははは---, 負うた 子に 助けられたか.

たにきこころなご

ユパ:この 谷は いい…. いつ 来ても 心が 和む.

こんどたび

ジル:今度の 旅は どうじゃった.

みなみふたくにふかいの

ユパ:ううむ…, ひどい ものだ. 南で また 二つの 国が 腐海に 飲まれて しまった.

ふかいちゃくじつひろいいくさうえふきつかげ

腐海は 着実に 広まって いる. なのに どこへ 行っても 戦に 飢餓, 不吉な 影ばかりだ.

たにく

なぜ この 谷のように 暮らせぬのか….

うみふかぜさままもふかいどくたにとど

大ババ:ここは 海から 吹く 風様に 守られて おるからの. 腐海の 毒も 谷へは 届かん.

たにこしすざまみなよろこ

ジル:どうだ ユパ, そろそろ この 谷に 腰を 据えぬか. わしは この 様だ. 皆も 喜ぶが.

ユパ:ふむ……

むださがつづさだおとこ

大ババ:ふふ, 無駄じゃよ. ユパは 捜し続けるよう 定められた 男じゃ.

さだ

ユパ:定めか….

おおさがさが

ナウシカ:大ババ様, 捜すって な--に?

しかべはた

大ババ:おや, ナウシカは 知らなかったのかい? ほれ, あの 壁の 旗に あるじゃろう.

みひだりすみかた

わしには もう 見えぬが 左の 隅に いる お方じゃ.

ものあおころもこんじきのお

'その 者 青き衣を まといて 金色の 野に 降りたつべし

うしなだいちきずなむす

失われし 大地との 絆を 結び……'

ひとびとあおせいじょうちみちび

ナウシカ:'ついに 人人を 青き 清浄の 地に 導かん…'

さまわたしふるいつたおも

ユパ様, 私, 古い 言い伝えだとばかり 思ってました.

ばばさまこま

ユパ:婆様, からかわれては 困る.

こと

大ババ:おんなじ 事じゃろうが.

わたしふかいなぞとねが

ユパ:私は ただ 腐海の 謎を 解きたいと 願って いるだけだよ.

われわれにんげんふかいのほろさだしゅぞく

我我 人間は このまま 腐海に 飲まれて 亡びるよう 定められた 種族なのか.

みきわ

それを 見極めたいのだ. 

[夜]

わたしさまてつだ

ナウシカ:私に ユパ様の お手伝いが できれば いいのに…

ひめさまひめさま

ゴル:姫様, 姫様.

ナウシカ:なに, ミト.

かぜにお

ゴル:ゴルが, 風が 匂うと ゆうとります.

よあい

ナウシカ:もう すぐ 夜明けね. すぐ 行くわ.

くろう

(望楼に 出る) ご苦力さん.

あらし

ゴル:いい 嵐なんじゃが どうも おかしい.

ふね

ナウシカ:あ! あそこ!? ほら, また! 船だわ.

へんきょうふね

ミト:なぜ このような 辺境に 船が…

なにごと

ユパ:何事かね?

さまふね

ミト:ユパ様, 船です!

ふね

ユパ:船?!

ナウシカ:来るわ.

おお

ミト:大きい!!

ゴル:ワァ---ッ!!

おおかたせん

ユパ:トルメキアの 大型船だ!

とかたふじちゃくあ

ナウシカ:飛び方が おかしい!! 不時着しようと している. ゴル, 上げて!

ひめさまむちゃ

ゴル:えっ…!? 姫様, 無茶じゃ!

かいがんゆうどう

ナウシカ:海岸に 誘導する.

まわき

ユパ:回って 来たぞ.

ゴル:ええい, 行きますぞ---!! (メ-ヴェを 飛ばす)

ナウシカ:テト…

ゴル:ウムッ.

ふかいおむしころ

ナウシカ:あ…! なんて ことを…! 腐海に 降りて 虫を 殺したんだわ.

かじひかじひかじ

舵を 引け---! ぶつかるぞ---! 舵を 引け---! 舵を----! はあ…!!

ユパ:落ちた…

ひめさま

ミト:姫様…

うみがけ

ゴル:海ぎわの 岸だ.

ミト:行こう!

うごもので

男:動ける 者は みんな 出ろ!

はや

男:早く しろ--!!

はや

男 :早く しろ--っ!! 

[大型船の 墜落 現場]

こい

ナウシカ:あの 子だわ. 生きてる. うっ…いいっ… はあっ.

ラステル:あ… ここは…?

かぜたに

ナウシカ:風の 谷よ. しゃべっては だめ. ハッ!!

わたしつみにつみにも

ラステル:私は…ううっ…, ペジテの ラステル… う… 積荷を… 積荷を 燃やして…!

つみに

ナウシカ:積荷?

ねがも

ラステル:お願い… 燃やして…

つみにだいじょうぶも

ナウシカ:積荷ね. わかった. 大丈夫, みんな 燃えたわ.

ラステル:はあ, よかった…

ひめさま

ミト:姫様--っ!

(人達の 騒ぎ)

かたしおうぞくひめぎみ

ミト:この 方は… ペジテ市の 王族の 姫君ですな. 

むしい

男:虫だ---! ウシアブが 生きてるぞ---っ!

なかまよ

男:まずい, 仲間を 呼んでる!

きずと

男:傷ついて 飛べないんだ.

じゅうも

男:銃を 持って こい.

うなかまよ

男:だめだ. 撃てば もっと 仲間を 呼ぶぞ.

そくし

男:即死させる.

じゅうし

ゴル:ウシアブが 銃で 死ぬか!

男:じゃあ, どうするんだ!!

まもき

ナウシカ:待って. ミト, メ-ヴェを 持って 来て.

ミト:ハイッ.

ひめさま

ゴル:姫様…

もりかえだいじょうぶと

ナウシカ:森へ お帰り. 大丈夫. 飛べるわ.

そう… いい 子ね.

ひめさま

ミト:姫様.

ナウシカ:ありがとう. (虫と共に 飛び上がる)

男:やった!!

ひめさま

男:さすが 姫様!!

びきころなにお

ミト:よかった…, たった 一匹 殺しただけでも 何が 起こるか わかりませんからな…. 

(腐海へ 虫を 送ってから ナウシカは 王虫が 自分を 見て いる ことに 気が つく)

オ-ム

ナウシカ:あ…! 王虫…!! 

[村]

少年:あった! 来て--っ!!

ふねほうし

こっち. やっぱり あの 船に 胞子が くっついてたんだね.

どく

男:まだ 毒は 出してないな.

ふば

もう ひと踏ん長りだ.

ひとのこたいへん

少年:ウン. 一つでも 残すと 大変だからね. 

なんかた

男:何だろう, この 固まりは.

ほのおも

男:あの 炎でも 燃えないとはなぁ…

せんさくあとまわほうしやてつだい

ミト:さあ みんな, こいつの 詮索は 後回しだ. 胞子を 焼く 手伝いに 行って くれ.

ねんいたの

念入りに 頼むぞ.

ものもこ

まったく やっかいな 物を 持ち込みおって…

ユパ:ミト, ここを 見ろ.

ミト:はぁ!?

うごいさま

動いとる……. まるで 生きとるようだ… ユパ様, これは…

たびとちゅうふきつうわさきししちかねむきゅうせかいかいぶつほ

ユパ:旅の 途中で 不吉な 噂を 聞いた. ペジテ市の 地下に 眠っていた 旧世界の 怪物が 堀り

だい

出されたと 言うのだ.

きゅうせかいかいぶつ

ミト:旧世界の 怪物?

きょしんへい

ユパ:巨神兵だ.

きょしんへいひかかんせかいやつ

ミト:巨神兵!? あの 火の 7日間で 世界を 焼き尽くしたという… こいつが…

きょしんへいかせきちかせんねんねむつづ

ユパ:巨神兵は すべて 化石と なった はずだった. だが 地下で 千年も 眠り続けて いた やつ

が いたのだ.

ひとかたちみ

ミト:はあ… そう言えば こいつは 人の 形にも 見えます…….

せいほうきょうぼうぐんじこっかしりょしゅう

ユパ:トルメキアは はるか 西方の 凶暴な 軍事国家… 死んだ ペジテの 虜囚といい…

気に なる…… 

[翌日]

ねが

ナウシカ:あと お願い.

なにかしら……

女:あら…

人達:おおっ!! うわああ-----!!

ふねみんなしろ

ナウシカ:トルメキアの 船だ!! 皆を 城へ!

しろしろあつしろ

みんな-- 城へ!! みんな 城へ 集まれ--!! 城へ---!

ちちうえ

ハアッ, 父上!! 

[ジルの 部屋]

さまかく

ジル:ババ様は 隠れて おれ!

大ババ:わたしゃ ここに いるよ.

ひめさま

女:姫様!

(飛び込む ナウシカ. しかし ジルは もう 死んでいる)

ナウシカ:おのれェ---!! ハァ! ヌッ!

大ババ:ナウシカ…

(トルメキア軍と 戦う ナウシカ. その 時 ユパが 飛び込んで 来る)

ナウシカ:アッ!!

そうほううご

ユパ:双方 動くな!!

うごオ-ムかわけずだつるぎそうこうつらぬ

動けば 王虫の 皮より 削り出した この 剣が セラミック装甲をも 貫くぞ.

おとこ

兵士:あの 男, ユパです.

へいきたにものさくやたちふねすくひっしはたら

ユパ:トルメキア兵に 訊く. この 谷の 者は 昨夜 そなた達の 船を 救わんと 必死に 働いた.

いまししゃていちょうほうむしょういくにたい

今も また 死者を 丁重に 蒋ったばかりだ. 小なりとは言え その 国に 対する これが ト

れいぎいくさしりゆうししゃ

ルメキアの 礼儀か!! 戦を 仕かけるならば それなりの 理由が あるはず. まず 使者を

たこうじょうの

立て 口上を 述べるべきであろう.

おついまたたかたにものみなころいのきかい

ナウシカ, 落ち着け ナウシカ. 今 戦えば 谷の 者は 皆 殺しに なろう. 生き伸びて 機会

を 待つのだ.

こむすめ

クロトワ:エ--ッ, クソッ, 小娘がっ!!

クシャナ:やめろ, クロトワ.

クロトワ:しかし…!!

ころ

あ--あ, なんて やつだよ. み-んな 殺しちまいやがった.

かんげんみみいたへんきょういちけんしことわれもくてきさつ

クシャナ:諫言耳が 痛い. 辺境一の 剣士 ユパ ・ミラルダとは そなたの 事か. 我らが 目的は 殺り

はなしけんおさ

ではない. 話が したい. 剣を 収められよ. 

[広場]

ひめさま

ミト:姫様だ!

きていこくへんきょうはけんぐんしれいかんでんかことば

クロトワ:聞け!! トルメキア帝国 辺境派遣軍 司令官 クシャナ殿下の お言葉だ!!

われへんきょうくにぐにとうごうちおうどうらくどけんせつき

クシャナ:我らは 辺境の 国国を 統合し, この 地に 王道楽土を 建設するために 来た!!

たちふかいほろひんわれしたがわじぎょうさんかふかい

そなた達は 腐海のために 滅びに 瀕している. 我らに 従い! 我が 事業に 参加せよ. 腐海

やはらふたただいちよみがえ

を 焼き仏い 再び この 大地を 蘇らすのだ.

ふかいやはら

ミト:腐海を 焼き仏うだと!

ムズ:そんな ことが できるのか!?

にんげんだいちあるじきせきわざちからわれふっかつ

クシャナ:かつて 人間をして この 大地の 主と なした 奇蹟の 技と 力を 我らは 復活させた.

わたししたがものもりどくむしおびくらしやくそく

私に 従う 者には もはや 森の 毒や 虫どもに 怯えぬ 生活を 約束しよう.

大ババ:待ちなされ!

ふかいてだ

腐海に 手を 出しては ならぬ!!

つい

クロトワ:なんだ? この ババア. オイ!! 連れて 行け.

クシャナ:言わせて やれ.

ふかいうせんねんいくたびひとふかいやこころきたび

大ババ:腐海が 生まれてより 千年… 幾度も 人は 腐海を 焼こうと 試みて 来た. が, その 度に

オ-ムむいかくるちうつおおなみおよき

王虫の 群れが 怒りに 狂い, 地を 埋め尽くす 大波と なって 押し寄せて 来た.

くにほろまちのこみずかいのちきがはオ-ムはしつづ

国を 滅ぼし 町を 飲み込み, 自らの 命が 飢餓で 果てるまで 王虫は 走り続けた. やが

オ-ムなえどこほうしだいちねはこうだいとちふかいぼっ

て 王虫の むくろを 苗床にして 胞子が 大地に 根を 張り, 広大な 土地が 腐海に 没し

たのじゃ.

ふかいてだ

腐海に 手を 出しては ならん!!

だまよまごとゆる

クロトワ:黙れ. そのような 世迷い言 許さぬぞ.

ころ

大ババ:オヤッ, どうするんじゃ. わしも 殺すのか.

クロトワ:き, きさま…!

ころとしかんたんころ

大ババ:殺すが いい!! めしいの 年よりさ. 簡単な ものだよ!! ジルを 殺したようにな.

さま

ミト:ジル様!!

女:なんて ひどい!!

さまびょうにん

男:ジル様は 病人なのに!

ひとごろ

男:人殺し!!

でいひと

男:出て 行け! 人でなしめ!!

だまさかようしゃ

クロトワ:黙らせろ!! 逆らう やつは 容赦するな.

まわたしはなしき

ナウシカ:みんな 待って! 私の 話を 聞いて.

いじょうぎせいだねが

これ 以上 犠牲を 出したくないの… お願い…

ひめさま

ミト:姫様…

おおさまわかひとたちしたが

ナウシカ:大ババ様も 解って… この 人達に 従いましょう. 

はや

兵士:あそこっ. 早く しろ!!

たに

クシャナ:なかなか いい 谷では ないか…

わたしはんたいほんごくこくはやきょしんへいはこめいれい

クロトワ:私は 反対です. 本国では 一刻も 早く 巨神兵を 運べと 命令しています.

めいれいじっこうふのうおおがたせんおもたついらく

クシャナ:命令は 実行不能だ. 大型船すら あいつの 重さに 耐えきれず 墜落して しまった.

ほんしんちこっかけんせつ

クロトワ:しかし まさか 本心で この 地に 国家を 建設するなど…

まえばけものほんごくどもい

クシャナ:だとしたら どうなのだ. お前は あの 化物を 本国の バカ共の オモチャに しろと 言う

のか.

わたしぐんじんすはんだんぶん

クロトワ:そりゃ, まあ わかりますがね… あ, 私は 一軍人に 過ぎません. その ような 判断は 分

を 越えます.

クシャナ:フン, たぬきめ.

わたしもどるすちゅうきょしんへいふっかつぜんりょくそそ

私は ペジテに 戻る. 留守中 巨神兵の 復活に 全力を 注げ.

クロトワ:ハッ!

つか

クシャナ:この ガンシップは 使えるのか.

ひろ

クロトワ:はい. 広い ものです. 

[部屋]

まちがわたしそうだん

クシャナ:間違えるな. 私は 相談しているのではない.

ひめさまつい

ミト:しかし, 姫様を ペジテに 連れて 行くなど…

ひとじちにんしょくりょう

ゴル:人質 5人に ガンシップに 食糧とは…

じんせんまかみょうちょうしゅっぱつじゅんびかんりょう

クシャナ:人選は 任せる. 明朝の 出発までに 準備を 完了しろ. 

[格納庫]

ひとじちくろう

ユパ:人質 ご苦力.

みくだなにも

ミト:わしらは ともかく… 見て 下さい. やつら, 何もかも 持ってっちまう つもりですぜ.

どちはなひそもどきかいまばけものふっ

ユパ:わしは 一度 この 地を 離れ 密かに 戻って 機会を 待つ. なんとしても あの 化物の 復

かつ

活を やめさせねば ならん.

ミト:はい. 

[ナウシカの 部屋]

ユパ:ナウシカ.

まえあるじ

テト… お前の 主は どこに いるのだ?

…ハッ…!!

ふかいしょくぶつ

ナウシカ, これは どういう ことだ. 腐海の 植物では ないか!!

わたしほうしあつそだだいじょうぶしょうきだ

ナウシカ:私が 胞子を 集めて 育てたんです. 大丈夫, 瘴気は 出して いません.

どくだたしくうきせいじょう

ユパ:毒を 出さぬ…? 確かに ここの 空気は 清浄だが……

もうどくはな

なぜだ. 猛毒の ヒソクサリが 花を つけて おるのに…

みずしろだいふうしゃちかあみずすなおないど

ナウシカ:ここの 水は 城の 大風車で 地下 500メ-トルから 上げて いる 水です. 砂は 同じ 井戸

そこあつみずつちふかいきぎどくだ

の 底から 集めました. きれいな 水と 土では 腐海の 木木も 毒を 出さないと わかった

よごつちたにつちよご

の. 汚れて いるのは 土なんです! この 谷の 土ですら 汚れて いるんです!!

だれせかいふう

なぜ… 誰が… 世界を こんな 風に して しまったのでしょう….

じぶん

ユパ:そなた, それを 自分で…!

ちちみんなびょうきなおしみず

ナウシカ:ええ, 父や 皆の 病気を 治したくて… でも もう ここも 閉めます. さっき 水を とめた

みんなか

から… やがて 皆 枯れるでしょう…

ユパ:ナウシカ…

わたしじぶんこわにくなに

ナウシカ:私, 自分が 怖い… 憎しみに からめて 何を するか わからない…

だれころ

もう 誰も… 殺したくないのに…ウッ…ウッウッ… 

[明朝・出発場]

ひめねえさま

少女達:姫姉様--っ!!

あつ

少女 1:これ, みんなで 集めたの.

少女 2:チコの 実.

ひめねえさま

少女 3:姫姉様に あげます.

たいへん

ナウシカ:みんな… こんなに たくさん… 大変だったろうに…

少女達:わあ----ん!!

だいじた

ナウシカ:ありがとう. 大事に 食べるからね.

ひめねえさま

少女 1:姫姉様 かわいそう…

とうじょういそしゅっぱつ

兵士:搭乗 急げ!! 出発だ!!

なだいじょうぶわたしかえく

ナウシカ:さ, みんな もう 泣かないで. 大丈夫よ. 私は すぐ 帰って 来るわ.

少女 1:ほんとに…?

わたしうそ

ナウシカ:アラッ, 私が 嘘を ついた こと あった?

少女 1:ない…

ナウシカ:ね?

少女 1:うん. ほんとね.

あぶ

ナウシカ:うん. さっ, 危ないから.

少女 1:うん.

少女達:きっとね---!!

ひめさまたの

男:姫様を 頼むぞ!

あと

城オジ:後を よろしくな--っ! 

[上空]

ゴル:ア??ア, ペジテは まだかいな.

こしいた

ギックリ:腰が 痛く なっちまったい…

ひめさまおげものえら

ニガ:やれやれ, 姫様も 惜じ気の ない 者ばかり よう 選んだわい!!

おもみっしゅうと

ゴル:ノオ, おかしいと 思わんか. なんで こんなに 密集して 飛ぶんじゃ.

しゅうげきおび

まるで 襲撃に 怯えてるようだ. 

くもしたしょうきうず

ナウシカ:雲の 下は すごい 瘴気の 渦だわ.

は?

ミト:ん?

うご

兵士:動くな.

ナウシカ:ガンシップ!!

はっ!! ああっ!

てきしゅうばんかん

兵士 1:敵襲!! 2番艦が やられた!!

ギックリ:ゆうた とおりじゃ!!

おそろ

ゴル:うひや--っ, 恐しい~!

ぼうぎょえんじんしたく

兵士 1:防御円陣. 下から 来るぞ! あれは ペジテの ガンシップです!

ナウシカ:ペジテ!?

ばんかん

兵士 1:くそっ, 3番艦も くわれた!!

なに

兵士 2:コルベットは 何を してるんだ!!

ばんかんしんごうそうだふのうそうだふのう

兵士 3:3番艦より 信号!! [ワレ 操舵不能!!] [ワレ 操舵不能!!]

ふね

ミト:なんちゅう モロイ 船じゃ!!

まこ

兵士:うわっ!! しんがりを 巻き込んだ---!!

ナウシカ:はっ! バ-ジの ワイヤ-が!!

はや

テト, 早く!

ミト:だめじゃ. これも 落ちる!!

ひめさま

姫様!?

ころ

ナウシカ:やめて!! もう 殺さないで!!

やめて-----っ!!

(ナウシカを 見て 警いた 相手は コルベットに 撃墜される)

ナウシカ:アアッ!!

ひめさま

ミト:姫様. わあ!!

いそ

ナウシカ:急いで!! ミト!!

ひめさま

ミト:アチチ… ひ, 姫様, もう だめじゃ!

とし

ナウシカ:飛べるかも 知れない!!

ミト:なんですと!?

はや

ナウシカ:ミト! 早く!!

ミト:わっ, は…はい!!

しどうほうとびらやぶ

ナウシカ:エンジン 始動!! 砲で 扉を 破る!!

ミト:は, はい!!

ナウシカ:ハッ!

(その 時 クシャナが 現れる)

はや

ナウシカ:こい!! 早く!!

`はやなか

早く 中へ! ミト! いける?

ミト:どうにか!!

はっぼうどうじぜんかい

ナウシカ:発砲と 同時に エンジン 全開!!

りょうかい

ミト:了解!!

ナウシカ:ヨ--イ, テェッ!!

しょうきうんかおきゅうしゅう

瘴気マスクを つけろ!! 雲下に 降りて バ-ジを 救出する!

温かい…… 死なないで, テト. 

[腐海の 上空]

せかいこしゅうきはじ

ミト:なんという 世界だ… こんな 濃い 瘴気は 初めてだ.

こうせきみぎこうほうちゅういちかと

ナウシカ:後席! 右後方に 注意!! 近くに いる!! ヘッ, まだ 飛んでる!

ミト:あ!! ほんとだ! ほんとに いた!!

ひめさま

ギックリ:おおっ, 姫様じゃ!

ひめさま

ゴル:姫様---っ!

がんばいまの

ナウシカ:みんな 頑張って!! 今 ロ-プを 伸ばすわ!!

こわくうちゅうしゅうようむり

ニガ:フックが 壊れとるんじゃ. 空中収容は 無理じゃあ!!

ふじちゃくむしく

ムズ:不時着して 虫に 食われてるのは いやじゃ---!

おもし

ゴル:ひと思いに 死にます---!

おつにもつす

ミト:落ち着け!! 荷物を 捨てるんじゃ--っ!!

`ひめさま

城 オ ジ:姫様--っ!! おさらば---

げんき

お元気で---っ

いきにもつす

ミト:言う ことを 聞け, 荷物を 捨てろ!!

こうせきき

ナウシカ:後席! エンジンを 切れ!!

ミト:な…なんと

おんいそ

ナウシカ:エンジン音が ジャマだ. 急げ.

ミト:は, はい.

ムズ:ん…!?

ひめさまなに

ゴル:ひ…姫様, な…な, 何を…

ひめさま

姫様 マスクを----

ギックリ:死んじまう--っ!!

ムズ:マスクを しなされェ!!

みんなかならたすわたししんにす

ナウシカ:皆 必ず 助ける!! 私を 信じて 荷を 捨てなさい!!

ねがはや

ギックリ:な, なんでも しますから お願いじゃ. 早く マスクを!!

ひめさまわら

ゴル:姫様, 笑っとる…

たす

ギックリ:助かるんじゃ…

いそ

ムズ:急げ!!

にす

ゴル:荷を 捨てろ!!

きしゅお

ミト:機首が 落ちてる!!

てんかふじちゃくちさが

ナウシカ:エンジン 点火!! 不時着地を 捜す…

すこはいはい

少し 肺に 入った…

城おじ達 :早く しろ.

ホレ, 早く. 

[湖水]

ひめ さま

ムズ:姫様ぁ!!

ぶじ

ナウシカ:みんな 無事?

うご

クシャナ:動くな!!

ゴル:ああっ!!

ミト:きさま…!!

さきほどくろう

クシャナ:先程は ご苦労…

ひめさま

ゴル:姫様! なぜ こんな やつを…

あまわたしれいいおも

クシャナ:甘いな. 私が はいつくばって 礼を 言うとでも 思ったのか.

ふかいなににんげんせかいじゅうつか

ナウシカ:あなたは 腐海の 何も わかって いない. ここは 人間の 世界じゃないわ. 銃を 使うだけ

なにおこせんとうふねもりおむし

で 何が 起るか わからない ところよ. さっきの 戦闘で 船が たくさん 森に 落ちて 虫

たちおこみうえ

達が 怒って いる. 見なさい, 上を---

だいおうもりみはほかむしよあつ

大王ヤンマは 森の 見張りよ. すぐ 他の 虫を 呼び集めるわ.

だっしゅつよびはや

すぐ 脱出する! 予備の ロ-プを 早く!

ギックリ:はっ, はい.

なお

ナウシカ:ミト, フックを 直して.

うごめいれいわたしくだ

クシャナ:動くな. 命令は 私が 下す.

なにおびまいご

ナウシカ:あなたは 何を 怯えて いるの. まるで 迷子の キツネリスのように.

クシャナ:ナニィ!!

こわわたしじぶんくにかえもら

ナウシカ:怖がらないで. 私は ただ あなたに 自分の 国へ 帰って 貰いたいだけ.

きさま

クシャナ:貴様… ウッ!

ゴル:ワッ!!

ナウシカ:来た!!

しずおこ

静かに!! 怒らしては だめ.

オ-ムす

ゴル:ここは 王虫の 巣じゃ.

かこ

ギックリ:か, か, 囲まれた.

クシャナ:う…う…う…

わたしたちしら

ナウシカ:私達を 調べている.

オ-ムたちすさわわたしたちてき

王虫, ごめんなさい. あなた達の 巣を 騒がして. でも わかって, 私達, あなたがたの 敵じゃないの.

クシャナ:うう…

ひめさま

ギックリ:ひ, 姫様…

ひといまオ-ム

ナウシカ:エッ!! あの 人が 生きてるの!? 待って! 王虫!!

なにはじ

ゴル:何が 始まるんじゃ!!

オ-ムめまか

ムズ:王虫の 目が 真っ赤じゃ!!

ひめさまき

ゴル:姫様!! メ--ヴェなど どうなさる 気じゃ!!

みずしずりすいじょうくうたいきじかんもどたにかえ

ナウシカ:水が 静まったら すぐ 離水して 上空に 待機!! 1時間して 戻らなければ 谷に 帰りなさい!!

ミト:し…しかし!!

ひめさま

ギックリ:姫様-----っ!!

行って しまわれた……

わたもら

ミト:渡して 貰おうか.

ひめさまいとお

さあ みんな, 姫様の 言われた 通りに するんだ.

ひめさま

姫様…… 

[腐海]

アスベル:ああ… うあ… くそう!!

クッ!! ワアッ!! ウワアッ!!

きみ

君は…!?

ころひかりだまむしぶえき

ナウシカ:あなたは 殺しすぎる!! もう 光弾も 虫笛も 效かない!!

アアッ!! 

アスベル:ッ…! あ…!!

りゅうさ

うっ! 流砂だ!! クソォ! うう…っ!! 

じかん

ギックリ:もう 2時間に なるぞ--

むしふ

ゴル:虫が 増えるばかりじゃ.

ひめさま

ギックリ:姫様--っ!!

ひめさま

姫様--っ!! 

[ナウシカの 夢]

ジル:ナウシカ! ナウシカ! おいで… おいで!!

とう

ナウシカ:父さん…

かあさま

母様も いる…

わたしい

いや… 私 そっちに 行きたくないの…

来ちゃ ダメ---ッ!! なんにも いないわ. なんにも いないったら……!!

でき

出て 来ちゃ だめ!!

オ-ムようせい

ゴル:王虫の 幼生です.

むしとわた

ジル:やはり 虫に 取りつかれて いたか… 渡しなさい ナウシカ!!

わる

ナウシカ:イヤッ! なんにも 悪い こと してない!!

むしひとおなせかいす

ジル:虫と 人とは 同じ 世界に 住めないのだよ!!

ナウシカ:ああ--っ!!

ねがころねが

お願--い!! 殺さないで!! お願い… 

[現実・腐海の 底]

ナウシカ:テト…

ふしぎ

不思議な ところ…

みききぶん

アスベル:やあ!! やっと 見つけて 来たよ. 気分は どう?

ナウシカ:ここは どこ?

れいいぼくたす

アスベル:まず お礼を 言わせて くれ. 僕は ペジテの アスベルだ. 助けて くれて ありがとう.

わたしかぜたに

ナウシカ:私は 風の 谷の ナウシカ… ここは どこ?

おどろぼくふかいそこ

アスベル:ははは---, 警くのは あたりまえさ. 僕らは 腐海の 底に いるんだよ.

ふかいそこ

ナウシカ:腐海の 底!?

おきすないっしょ

アスベル:ほら, あそこから 落ちて 来たんだよ. 砂と 一緒にね.

わたしたち

ナウシカ:あ! 私達, マスクを して ない!

くうきすぼくおどろふかいそこ

アスベル:そうなんだ. ここの 空気は 澄んで いるんだよ. 僕も 警いた. 腐海の 底に こんな ところが あるなんてね.

どうした?

とおい

ナウシカ, あんまり 遠くへ 行くなよ.

りっぱき

ナウシカ:なんて 立派な 木.

かみずとお

枯れても 水を 通して いる…

いどそこすなおんな

井戸の 底の 砂と 同じ…

いしきくだふつも

石に なった 木が 砕けて 降り積って いるんだわ.

アスベル:ナウシカ… 泣いてるの?

うれ

ナウシカ:うん… 嬉しいの. 

ぼくふたごいもうとそば

アスベル:ラステルは 僕の 双子の 妹なんだ…. 傍に いて やりたかった.

はなおく

ナウシカ:ごめんね… 話すのが 遅れて…

いもうとみとひとぼくころ

アスベル:イヤ…, すまなかった. 妹を 看取って くれた 人を 僕は 殺して しまう ところだった.

ナウシカ:ウウン.

かぜたに

アスベル:そうか… あいつは 風の 谷に あるのか!!

ふしぎあじみ

ウッ!! 不思議な 味のする 実だねえ.

みいえいよう

ナウシカ:チコの 実と 言うの. とっても 営養が あるのよ.

あじながぐつた

アスベル:フ--ン. 味は ともかく 長靴 いっぱい 食べたいよ.

ナウシカ:ウフフ. 

ふかいうきみふしがかんがひと

アスベル:腐海の 生まれた わけかあ… 君は 不思議な ことを 考える 人だなあ…

ふかいきぎにんげんよごせかいうき だい ち

ナウシカ:腐海の 樹樹は 人間が 汚した この 世界を きれいに するために 生まれて 来たの. 大地

どくからだとこけっしょうしすない

の 毒を 体に 取り込んで, きれいな 結晶に してから 死んで 砂に なって 行くんだわ.

ちかくうどうむしたちもりまも

この 地下の 空洞は そうして できたの… 虫達は その 森を 守って いる…

ぼくほろなんぜんねんしょうき

アスベル:だとしたら… 僕らは 滅びるしか なさそうだ… 何千年 かかるか わからないのに 瘴気

むしおびいむりふかいいじょうひろほうほうひつよう

や 虫に 怯えて 生きるのは 無理だよ. せめて, 腐海を これ 以上 広げない 方法が 必要

なんだ.

おない

ナウシカ:あなたも クシャナと 同じように 言うのね…

ちがぼくきょしんへいせんそうつかきあしたみんなあ

アスベル:違う!! 僕らは 巨神兵を 戦争に 使う 気なんか ない!! 明日 皆に 会えば わかるよ!!

ねと

ナウシカ:…もう 寝ましょ… あした… たくさん… 飛ばなきゃ… 

[風の 谷]

いじょう

兵士:異常 ありません.

じゅんちょう

クロトワ:ウム. 順調か?

じょうたいかた

兵士:ハッ. 上体は ほぼ 固まりました.

みみかわい`びんぼうぐんじんおれひさ

クロトワ:…まったく, 見れば 見るほど 可愛い バケモンだぜ, おめえは! 貧乏軍人の 俺ですら 久

さびつやしん

しく 錆付いて いた 野心が うずいてくらァ.

わらよおわちかねむ

ケッ, 笑って やがる. てめえなんざ この 世の 終りまで 地下で 眠ってりゃ よかったん

だ!!

さんぼう

将校:参謀!!

クロトワ:ん?

でんかへんたいざんとうおそかんのこぜんめつ

将校:殿下の 編隊が ペジテの 残党に 襲われ コルベット 一艦を 残して 全滅しました!!

でんか

クロトワ:殿下は どうなされた!?

かんくうちゅうしさん

将校:艦は 空中で 四散したそうです!!

さんぼう

兵士:参謀!!

むらものきづ

クロトワ:村の 者には まだ 気付かれて いないな?

兵士:ハイ!

いほかものさぎょうつづ

クロトワ:よし! すぐ 行く. 他の 者は このまま 作業を 続けろ!

兵士達:ハッ!!

うだつあへいみんでめぐきこううんはめつ

クロトワ:?の 上がらねえ 平民出に やっと 巡って 来た 幸運か…? それとも 破滅の ワナか!!

たちもどき

少年 1:ミトじい達が 戻って 来たんだって.

さんみずうみさまま

少年 2:酸の 湖で ユパ様を 待ってます. 

[酸の 湖水]

もど

ミト:わしらだけ おめおめ 戻って…

ぶじなに

ユパ:いやあ, 無事で 何よりだった.

しゃくほう

クシャナ:釈放だと?

きょしんへいさんみずうみふかしずほんごくかえたにのこへいすくいまたたか

ユパ:巨神兵を 酸の 湖 深く 沈め 本国に 帰って くれぬか? 谷に 残る 兵は 少ない! 今 戦う

やさいじょうぎせいむいみ

は 易しいが これ 以上の 犠牲は 無意味だ.

ひみずきあるだうご

クシャナ:やつには 火も 水も 效かぬ. 歩き出すまでは もはや 動かす こともな…

あともどきょだいちからたこくもきょうふわたし

わからぬか? もはや 後戻りは できないのだ. 巨大な 力を 他国が 持つ 恐怖ゆえに 私は

こうりゃくめいれいじつざいしいじょうれっこくつきづきちたいぐん

ペジテ攻略を 命令された. やつの 実在が 知られた 以上 列国は 次次と この 地に 大軍

おくこまえたちのこみちひときょしんへいふっかつれっきょう

を 送り込むだろう. お前達に 残された 道は 一つしかない. 巨神兵を 復活させ 列強の

かんしょうはいともいみ

干渉を 排し やつと 共に 生きる ことだ. 見ろ!

皆 :オオ!!

むし

ユパ:虫にか?

わおっとものみ

クシャナ:我が夫と なる 者は さらに おぞましき ものを 見るだろう.

ふかいやむしころにんげんせかいともどなにためらわぐん

腐海を 焼き, 虫を 殺し, 人間の 世界を 取り戻すのに 何を 躊躇う!! 我が軍が ペジテか

うばうば

ら 奪ったように やつを 奪うが いい.

きょしんへいふっかつ

ユパ:巨神兵は 復活させん!!

たいへん

少年 1:大変だ!!

あいことばい

少年 2:おい, 合言葉を 言え.

いそ

少年 1:急いでるのに!!

かぜ

少年 2:風.

たに

少年 1:谷ィ!!

少年 2:よし.

ほうしのこ

少年 1:胞子が 残って いたんだ!!

ミト:なんだと!!

しょうきだたにじゅうおおさわ

少年 1:すごい 瘴気を 出して 谷中 大騒ぎに なってる!! 

[森]

わた

男:渡せ!!

はや

男:早く しろ!!

わた

男:渡せ!!

はやたにぜんめつ

男:早く しないと 谷は 全滅しちまうぞ!!

男:そうだ!!

てかぎひづつわた

男:手鈎と 火筒を 渡せ!!

そた

男:どんどん 育ってるんだ!!

ほうしやどうぐぶきわた

兵士 1:胞子を 焼く 道具は 武器にも なります. 渡すのは…

しかたじゅういがいもど

クロトワ:仕方 あるまい. 銃 以外は 戻して やれ.

兵士 1:ハッ!!

しゅっぱつ

兵士 2:コルベット 出発します!!

こんどのこへいりょくたにしゅうけつ

クロトワ:今度は ぬかるな. ペジテに 残る 兵力を すべて この 谷に 集結させろ.

兵士 2:ハッ!!

めんどうき

クロトワ:やれやれ, 面倒な ことに なって 来やがったぜ.

はや

男:早く しろ!!

いそ

男:急げ!! 

ひめさまねが

ゴル:姫様を お願いします.

たにたのもどじちょう

ユパ:谷を 頼むぞ. 戻るまで 自重して くれ.

ギックリ:ハ, ハイッ.

たにい

ゴル:わしらは 谷へ 行くぞ!! 

男:ン!

きんしき

男:だめだ! こんな ところまで 菌糸が 来て いる!

男:こっちも やられて いるぞ!!

女:どいて!!

なに

男:何を する!!

女:エイ!! ああっ…!! ここも……

おおさま

男:大ババ様!!

ももりだめておくたにふかいのこ

大ババ:燃やすしか ないよ!! この 森は もう 駄目じゃ. 手遅れに なると 谷は 腐海に 飲み込まれて しまう!

老人:なんとか ならんのかのォ…

ちょすいちねんまももり

貯水池を 三百年も 守って くれた 森じゃ.

男:クソ??! あいつらさえ 来なければ…!!

おさい

ゴル:こりゃ このままじゃ 収まらんぞ. わしらも 行こう. 

[上空]

ぼくおなみ

アスベル:そうかなぁ… 僕には いつもと 同じにしか 見えないが…

むしたちむね

ナウシカ:虫達が いない…. なぜかしら, こんなに 胸が ドキドキする.

やまこぼくなかま

アスベル:もう すぐだ! あの 山を 越せば 僕の 仲間が いる.

ほうなんもや

ペジテの 方が おかしい… 何だろう, あの 靄は?

ナウシカ:アアッ! アスベル, マスクを 着けて!!

むし

アスベル:虫だ!!

死んでる…

ナウシカ:ペジテへ 行く!!

きぐん

アスベル:気を つけて. あそこには トルメキア軍が いるはずだ. 

[ペジテ市]

アスベル:ああ…!!

オ-ム

ナウシカ:王虫まで….

くやぶ

アスベル:センタ-ド-ムが 食い破られるなんて…!!

おわぐんぜんめつ

ペジテは もう 終りだ… トルメキア軍を 全滅させたって これじゃ…

ぜんめつ

ナウシカ:全滅させた? どういうこと アスベル!?

ブリックだわ!!

なかまふねおい

アスベル:仲間の 船だ!! 降るぞ. 行こう!! 

市長:アスベル!! 生きて いたか!!

さいけん

アスベル:なんて ことを したんです. あれじゃ 再建も できない.

まちみだいじょうぶふかいのやはら

市長:街を 見たんだね. 大丈夫. 腐海に 飲まれても すぐ 焼き仏える.

きょしんへい

アスベル:でも 巨神兵は ここに いないんだ.

かぜたに

市長:わかって いる. 風の 谷だ.

アスベル:なぜ それを…?

われわれあそさくせんだいだんはつどう

市長:ははは--, 我我も 遊んで いた わけじゃない. 作戦の 第 2弾も 発動したよ.

こんやかぜたにぐんぜんめつ

今夜にも 風の 谷の トルメキア軍は 全滅だ.

ぜんめつなに

ナウシカ:なんだって!? 全滅って 何を するの!?

ひと

市長:アスベル, この 人は?

かぜたにいのちおんじん

アスベル:…風の 谷の ナウシカ… 命の 恩人だ.

かぜたに

市長:風の 谷……

男 1:オオ…

おしなに

ナウシカ:教えて!! 何が あるの!?

しおし

アスベル, あなた 知ってるんでしょう!? 教えて!!

むしおそ

アスベル:……虫に 襲わせるんだ……

おそたち

ナウシカ:はっ! ペジテを 襲わせたのも あなた達なの!?

…なんて ひどい ことを…

ふっかつまえきょしんへいともど

市長:どうあっても 復活する 前に 巨神兵を 取り戻さなければ ならないのだ.

せかいまも

男 2:世界を 守るためなんだよ. わかって くれ.

たにひとたちころいねが

ナウシカ:それで 谷の 人達を 殺すと 言う わけ!? やめて!! すぐ やめて!! お願い!!

おそ

男 3:もう 遅いんだ!

はしだだれとぐんわれわれころ

市長:走り出したら 誰も 止められない… トルメキア軍に 我我は ほとんど 殺されて しまっ

ほかほうほう

た. もう 他に 方法が ないんだ.

おさ

押えろ!!

はない

ナウシカ:放して!! 行かせて---っ!!

いまきょしんへいともどふかいやにんげんせかいともど

市長:今は つらくても 巨神兵を 取り戻せば 腐海を 焼き 人間の 世界を 取り戻せるのだ.

うそたちおな

ナウシカ:嘘だ!! あなた達は トルメキアと 同じよ!!

ちがかれはかいつか

市長:違う!! 彼らは 破壊に 使うだけだ!!

たちいどみずのみずだれおも

ナウシカ:あなた達だって 井戸の 水を 飲むでしょう? その 水を 誰が きれいに して いると 思

みずうみかわにんげんどくみずふかいきたち

うの? 湖も 川も 人間が 毒水に して しまったのを 腐海の 樹達が きれいに して くれ

て いるのよ……

もりやいきょしんへいほおこ

その 森を 焼こうと 言うの!? 巨神兵なんか 堀り起すから いけないのよ!!

市長:では どうすれば いいのだ!! このまま トルメキアの いいなりに なるのか!!

ちがちがみんな

ナウシカ:違う! 違う! アスベル! 皆に 言って!! 腐海の 生まれた わけを, 虫は 世界を 守ってるって!! アスベル, お願い!!

なに

市長:ウワッ!! 何を する!!

うごこい

アスベル:動くなっ!! その 子を 行かせて やれ!!

おつ

市長:落ち着け, アスベル!!

ぼくほんきてはなみんなし

アスベル:僕は 本気だ. 手を 放せ! ナウシカ, 皆に 知らせろ! あっ!

はな

ナウシカ:アッ…!! アスベル--- 放してェ!! 

[風の 谷]

おろもの

クシャナ:愚か者が!!

はじしかた

ゴル:始まっちまったものは 仕方ねえ!!

じちょうい

ギックリ:だが 自重しろと 言われたのに……

せんしゃへいきゅうしゅう

クロトワ:ジタバタしねえで 戦車で 兵を 救出しろっ.

兵士 1:ハッ!!

さんぼうさいごひとり

兵士 2:参謀!! 最後の 一人が やられました!!

クロトワ:こっちへ 来るかっ.

むらじゅうあつ

兵士 2:わかりません! 村中が 集まりつつあります!

もりさっきだまい

クロトワ:やだねえ. 森の 一つや 二つで 殺気 立ちやがって ペジテの 二の 舞だぞ. うん?

城オジ :オッ! ヘェッ!?

戦 車 兵:ワ--ッ!!

せんしゃと

クロトワ:戦車を 取りやがった!!

はやうご

ゴル:早く 動かせ!

ニガ:そう せくなよ.

ギックリ:わ--っ, 来るぞ--っ!!

はや

ゴル:ホレ ホレ ホレ, 早く せい.

うご

ニガ:これかな. あ, 動いた.

どっちへ 行くんじゃ!!

兵士達:ウワアッ!!

まえいまえ

ゴル:前へ 行くんじゃ, 前へ!!

ニガ:わかっとるがな……

せんしゃぜんぶだ

クロトワ:クソッ!! 戦車を 全部 出せ!!

いみじゆめでんか

オッ!? 生きてたよ…… 短けえ 夢だったな…… 殿下!!

みんなさんみすうみひなん

ギックリ:わしらが くいとめるから, 皆を 酸の 湖に 避難させて くれ!

男:わかった!!

ひめさまもどしんぼう

ムズ:姫様が ガンシップで 戻るまでの 辛抱じゃ.

いそ

男:みんな 急げ!

はや

男:早く しろ!!

まえてつだ

ゴル:ボヤボヤ せんと お前も 手伝え!!

ごし

ギックリ:わしゃ ギックリ腰.

きせんしゃきいそ

来たっ! 戦車が 来たぞ--!! 急いで--っ!!

ニガ:わかっとるがな, もう…… 

[上空]

まちが

隊長:間違いないか.

くもむみ

兵士:ペジテの ブリックです. あの 雲の 向こうに チラッと 見えました.

隊長:よしっ!! 

[ブリックの 中]

きくだあば

兵士:気を つけて 下さい. さっきまで 暴れていたから.

いそ

奥さん :急いで.

だたにしいたこ

ナウシカさん, ここから 出して あげます. 谷に 知らせに 行って. あなたの 凧なら まだ

まあしようい

間に合うかも 知れない. 用意して あります.

みんなき

アスベルから 皆 聞きました.

わたしみわはや

少女:私が 身代わりに なるから 早く これを.

ナウシカ:あなたは……

はは

奥さん :ラステルの 母です.

かあさま

ナウシカ:母様……

ほんとうわたしたちみんなまちが

奥さん :本当に ごめんなさい. 私達の した ことは 皆 間違いです.

はや

少女:早く!!

ナウシカ:あの 子は!?

だいじょうぶしんぱい

奥さん :大丈夫. 心配しないで.

女:気を つけてね.

しうゆる

婆さん :ひどい 仕打ちを 許して おくれ.

いそ

アスベル:ナウシカ, こっちだ! 急げ!

みな

ナウシカ:皆さん, ありがとう.

おそと

アスベル:すまない. 遅く なっちまって… ここから 飛べるか?

ナウシカ:やって みる.

コルベット!!

アスベル:ワッ!!

たいひくもなかいそ

市長:退避!! 雲の 中へ 急げ!!

うかた

ト軍射手:撃ち方 やめ!!

くもなからんりゅうでんきじごく

バカめ!! 雲の 中は 乱流と 電気の 地獄だ!!

かじき

航 海 士:だめだっ!! 舵が 效かない!!

ふねぶんかい

アスベル:船が 分解するぞ!!

えくもでたたか

市長:みんな やむを 得ない! 雲を 出て 戦おう!!

航 海 士:アアッ!!

市長:読んで いたな!!

アスベル:くそっ, どうする 気だ!!

くもくもおつのうつき

ナウシカ:雲よ! 雲に 押し付けて 乗り移る 気だわ!

くとだいま

アスベル:やつらが 来る! 飛び出すのは 今しか ない!!

わたしのこみがこかあさま

ナウシカ:だめよ!! 私も 残る!! 身代わりに なって くれた 子や 母様を ほうっては いけないわ!!

たにひとすくきみたのいぼくい

アスベル:谷の 人を 救えるのは 君だけだ! 頼む, 行って くれ!! 僕らのために 行って くれ!!

ナウシカ:ア!! 

ふねもらほりょつくねき

隊長:船は 貰う. 捕虜を 作るな. 根切りに しろ. 

兵士:てえっ!! ていっ!!

いい

アスベル:行けっ! 行け--- ナウシカ!!

ナウシカ:アスベル!! 

ひめさま

ミト:姫様----!!

ナウシカ:ミト!!

ミト:ひゃっほ---っ!!

さま

ナウシカ:ミト!! ユパ様!!

ひめさま

ミト:姫様---っ!!

はや

ナウシカ:早く, みんなが!! みんなが…!!

いましゅうようださまみぎあか

ミト:今 収容フックを 出します! ユパ様! 右の 赤い レバ--を! 

のこいそ

隊長:残るのは ここだけだ. 急げ!

くだ

アスベル:ドアが 砕けるぞ!!

くほこおもし

市長:いつでも 来るが いい. ペジテの 誇りを 思い知らせて やる!

なにとり

女:何かしら? 鳥…!?

ふねかぜたに

把守兵:船だ!! 風の 谷の ガンシップ!!

隊長:なにっ!?

把守兵:ワアッ!!

兵士:きさま!!

兵士:わっ!!

うとなあ

隊長:ユパだ!! 討ち取って 名を 上げろ.

うおっ!?

こうふくもど

ユパ:降伏しろ. コルベットは もはや 戻らぬ.

つよ

隊長:つ…強い… 

[ガンシップ]

ひめさまむちゃばくはつ

ミト:姫様, 無茶だ!! エンジンが 爆発しちまう!!

たに

ナウシカ:谷まで もてば いい! 300まで 上げて!

かみさまかぜかみさままも

神様… 風の 神様… どうか みんなを 守って…! 

[風の 谷]

うご

クロトワ:テコでも 動きそうに ありませんな.

かえま

クシャナ:帰りを 待って いるのだ.

かえ

クロトワ:帰り?

むすめもどしん

クシャナ:あの 娘が ガンシップで 戻ると 信じて いる.

いま

クロトワ:ガンシップは やっかいですなあ, 今のうちに ひとあて やりますか!?

まえふねなんし

クシャナ:お前は あの 船が 何だか 知って いるのか?

ひかかんまえつくうそほんとうしほしい

クロトワ:火の 7日間の 前に 造られた やつでしょう. 嘘か 本当か 知らねえが 星まで 行ってたと

かたほうきあなこ

か なんとか… えらく 硬いから 砲も 效かねえが なあに 穴に ぶち込めば…

わたしま

クシャナ:私も 待ちたいのだ.

クロトワ:へ…!?

ほんとうふかいしんぶいもどものむすめどはなし

クシャナ:本当に 腐海の 深部から 生きて 戻れる 者ならな… あの 娘と 一度 ゆっくり 話を したかった. 

けっしんこうふくすすい

クシャナ:どうだ. 決心は ついたか. 降伏を 勧めに 行くなら 放して やるぞ.

まい

ペジテの 二の 舞に したいのか!!

ひめさまひめさまだいぶちが

ギックリ:あんたも 姫様じゃろうが わしらの 姫様と 大部 違うのぉ.

てみくださまおなやまいはんとしいしおな

ゴル:この 手を 見て 下され. ジル様と 同じ 病じゃ. あと 半年も すれば 石と 同じに なっ

ひめさまてすいはたらものきれい

ちまう. じゃが!! わしらの 姫様は この 手を 好きだと 言うて くれる. 働き 者の 綺麗

てい

な 手だと 言うて くれましたわい!!

ふかいどくおかふかいともいい

クシャナ:腐海の 毒に 冒されながら それでも 腐海と共に 生きると 言うのか!

ひつかつかおおひなに

ギックリ:あんたは 火を 使う. そりゃあ わしらも ちょびっとは 使うがのぉ, 多すぎる 火は 何も

生みやせん.

ひもりにち はいみずかぜねんもりそだ

コル:火は 森を 一日で 灰に する. 水と 風は 百年 かけて 森を 育てるんじゃ.

みずかぜほう

ギックリ:わしらは 水と 風の 方が ええ.

もりみひめさまかな

ニガ:あの 森を 見たら 姫様 悲しむじゃろうのぉ…

さんぼうどのめいれい

兵士:参謀殿. 命令は まだですか.

ひこ

クロトワ:引っ込んでろ…

兵士:ハイッ.

なにしかわい

クロトワ:何が あったか 知らねえが 可愛く なっちゃったな……

ものたちはな

クシャナ:クロトワ! その 者達を 放せ!

クロトワ:ハッ!? んじゃ 待ちますか.

へいしょくじじかんごこうげきかいし

クシャナ:兵に 食事を とらせろ! 1時間 後に 攻撃を 開始する!

クロトワ:ほお, めしねェ… ゆっくり 食うことに しますか… 

だれく

男:ん? 誰が 来る!

たち

男:ゴル達だ.

ゴル:…ん?

ギックリ:どうしたんじゃ?

かぜ

ゴル:…風が ない…

かぜかぜと

ギックリ:風が…? ほんとじゃ. 風が 止まった…!

大ババ:オオ?ッ!!

さま

少女 1:ババ様, どうしたの?

おおさま

女子:大ババ様.

だれだれわたしつだ

大ババ:誰か, 誰か 私を 連れ出して おくれ…

かぜはじ

少女 2:風が やむなんて 初めて.

さまみみいた

少女 1:ババ様, 耳が 痛い.

たいきたいきいかみ

大ババ:大気が… 大気が 怒りに 満ちて おる…… 

[上空]

ちか

ナウシカ:近い!!

ふかいさんみずうみぶん

ミト:腐海を きれた!! 酸の 湖まで 三分!!

くもしたお

ナウシカ:エンジン スロ-!! 雲の 下へ 降りる!!

ひかり

ミト:なんじゃ, この 光は!?

オ-ム

ナウシカ:あ! 王虫!!

ふかいかぜたにむ

ミト:腐海が あふれた!! 風の 谷に 向かって いるっ!!

オ-ムだれむよ

ナウシカ:なぜ! どうやって 王虫を! あ! 誰かが 群れを 呼んでる.

むと

ミト! シリウスに 向かって 飛べ!

ミト:ハッ!? ハイ!

しょうめいだん

ナウシカ:いる! ミト, 照明弾!!

ヨ--イ!! テェッ!!

ミト:なんだあ, あれは!?

ナウシカ:ああっ!!

こむよよ

なんて ひとい ことを!! あの 子を おとりに して 群れを 呼び寄せて いるんだ!

たたおと

ミト:クソォ!! 叩き落して やる!!

ナウシカ:だめよ---っ!! 撃っちゃ だめ!! ミト, やめて!!

ミト:なぜじゃ!! なぜ 撃たせんのじゃ!!

オ-ムこころぼうそうと

ナウシカ:王虫の 子を 殺したら 暴走は 止まらないわ!!

たにぜんめつ

ミト:どう すれば いいんじゃ!! このままでは 谷は 全滅だぁっ!!

おつオ-ムこむかえ

ナウシカ:落ち着いて ミト!! 王虫の 子を 群れへ 返すの! やって みる!! クッ!!

なにひめさま

ミト:何を するんじゃ 姫様!!

ナウシカ:ミトは みんなに 知らせて!!

ひめさまぶきも

ミト:姫様---っ!! 武器も 持たずに! アアッ!! 

[風の 谷]

わぐんしょうめいだん

兵士:我が軍の 照明弾では ありません.

きょり

クシャナ:距離は?

やくみずうみたいがんおも

兵士:約 20リ-グ 湖の 対崖と 思われます.

おも

クシャナ:ガンシップだと 思うか?

クロトワ:おそらく.

きゅうえんもとしんごう

救援を 求める 信号です. やはり ガンシップですなあ.

じかんたい

クシャナ:1時間 経った… 行こう!!

クロトワ:待たないんで!?

ちみち

クシャナ:…しょせん 血ぬられた 道だ.

そうこうへいまえ

兵士:装甲兵 前へ!!

でんかなか

クロトワ:殿下は 中へ.

クシャナ:ここで いい.

兵士:ん!

兵士:ガンシップだ!!

くうしゅう

兵士:空襲!!

クシャナ:はっ!! 撃つな---っ!! やめろ! やめんかっ!!

ひめさま

ゴル:くそっ! 姫様---っ!!

ばたいきはっぽう

クシャナ:この 場で 待機!! 発砲するなっ!!

でんか

クロトワ:殿下!? ウッ!

むすめ

クシャナ:あの 娘は どうした!!

ひめさま

ゴル:姫様は!?

うしの

ギックリ:後ろに 乗っとらんぞ!

オ-ムオ-ムむく

ミト:王虫だ!! 王虫の 群れが こっちに 来る!!

ゴル:なんじゃと!?

オ-ム

男:王虫が!

ひめさまぼうそうのこいくさひま

ミト:姫様は 暴走を くいとめるために ひとり 残られた! 戦なんぞ してる 暇は ない!!

みんなたかにいそ

皆 高い ところへ 逃げろ!! 急げ!! 

さまあかひかりみ

少女 1:ババ様, 赤い 光が 見えます.

少女 2:どんどん 増えてるみたい…

少女 3:こっちへ 来るんだわ.

つかだれと

大ババ:ババに しっかり 掴まって おいで… こう なっては もう 誰も 止められないんじゃ.

だいじょうぶ

男 1:あわてるな!! まだ 大丈夫だ!!

はやはや

男 2:早く 早く!!

したにし

女:ミト… どうせ 死ぬんじゃ… 谷で 死ぬよ.

だめひめさまあきらかぎあきら

ミト:駄目じゃ!! 姫様が 諦めない限り 諦めるな!!

じかんかせわたしもど

クシャナ:よいか!! できるだけ 時間を 稼げ!! 私は すぐ 戻る!!

でんかはや

クロトワ:殿下!? まさか あれを…!? まだ 早すぎます!!

いまつかつか

クシャナ:フッ, 今 使わずに いつ 使うのだ. ゆけ!! 

[上空]

うはなしき

ナウシカ:撃たないで! 話を 聞いて!

とり

大人:くそ~ 鳥みたいな やつだ!

ひとてきなにさけ

青年:あの 人は 敵じゃ ないよ. 何か 叫んで いた.

さくせんじゃまみんなてきはやたにこおれたちあぶ

大人:作戦を 邪魔する やつは 皆 敵だ!! 早く おとりを 谷に ほうり込まないと 俺達が 危な

いんだ.

くひつう

来るぞ!! よ--く 引き付けてから 撃て!!

青年:あ!! あ…あ…

いまう

大人:今だ! 撃て--っ!!

青年:いやだ---っ!! ラステルさん…!?

大人:どけっ!!

ナウシカ:ううっ!!

男達:ワアッ!! 

オ-ム

ナウシカ:王虫…… う!! ううっ…

おここわわたしてき

怒らないで… 怖がらなくて いいの. 私は 敵じゃ ないわ.

ゆるい

ごめん… ごめんね. 許してなんて 言えないよね. ひどすぎるよね…

うごたいえきここうご

はあ, 動いちゃ だめっ!! 体液が 出ちゃう! いい 子だから 動かないで! はっ!

たいへんみ

大人:大変だ, 見つけられた!!

青年:ああ… こっちへ 来る!!

けがはいみずうみみず

ナウシカ:だめよ!! そんな 怪我で 入ったら! この 湖の 水は だめだったら!! ああっ!!!

うう…ア…ウ…う……

まえこわたしだいじょうぶいまむかく

お前…… ううっ… やさしい 子… 私は 大丈夫. 今 みんなが 迎えに 来るからね.

いこオ-ムたに

それて 行く…… こっちへ 来ない!! 王虫!! だめっ!! そっちは 谷が あるのに!

いかわれわすしずたに

怒りで 我を 忘れてるんだわ. 静めなきゃ 谷が… はっ!?

じぶんまねよ

大人:はははは---, バカめ 自分で 招き寄せて いやがる!!

たす

青年:助かった…

だっしゅつしら

大人:すぐ 脱出だ. エンジンを 調べ…

…!! よ, よせ!! は, はなせば わかる.

わたしたちはここむかえ

ナウシカ:私達を 運びなさい. あの 子を 群れに 返えします.

むだむと

大人:そんな ことを したって もう 無駄だ!! 群れは 止まりゃ しない!! ワッ!!

わたしたちむさきおはこ

ナウシカ:私達を 群れの 先に 下ろすだけで いい. 運びなさい!!

きみし

青年:しかし, 君も 死ぬぞ!! 

[風の 谷]

さまし

少女 1:ババ様, みんな 死ぬの…!?

さだしたが

大ババ:定めならね. 従うしか ないんだよ.

クロトワ:ビクとも しねえな…

たいきゃく

兵士:退却しましょう!

クロトワ:ばかやろう. 逃げるったって おめえ どこへ 逃げるんだ?

アア---- こら 逃げるな! まてっ!! おい!

兵士達:逃げろ----!!

クロトワ:殿下が 戻るまで ふみとどまれ!! 殿下ァ??.

おっ, 殿下だっ!!

兵士:いけえ!!

兵士:やっつけろォ!!

谷の人ら:巨神兵だあ!!

くさはや

クロトワ:腐って やがる. 早すぎたんだ.

やはらせかいもっとじゃあくいちぞくまつえい

クシャナ:焼き仏え!! どうした!? それでも 世界で 最も 邪悪な 一族の 末裔か!!

クロトワ:ウォッ!!

せかいも

すげえ!! 世界が 燃えちまう わけだぜ…

でんかばんざい

兵士:クシャナ殿下 万歳!!

ばんざい

兵士:万歳!!

やはらばけものう

クシャナ:焼き仏え!! どうした 化物! さっさと 撃たんか!!

うっ!!

兵士:こりゃ ダメだ!!

兵士:逃げろ----!!

きょしんへいし

少女 1:巨神兵 死んじゃった…

ほうオ-ムいかだいちいかものすがいの

大ババ:その 方が いいんじゃよ. 王虫の 怒りは 大地の 怒りじゃ. あんな 物に 縋って 生き伸びて なんに なろう.

ひめねえさま

少女 1:姫姉様!

ひめねえさま

少女 2:姫姉様が…!

男 1:ああ あんな ところに!

むちゃ

男 2:無茶だ!

ひめさま

女:姫様っ!!

人達:おお!! 

[夜明け]

オ-ムこうげきしょくきい

ユパ:王虫の 攻撃色が 消えて 行く…!

たいきいかき

大ババ:あ… 大気から 怒りが 消えた.

とオ-ムと

ミト:止まった!! 王虫が 止まったぞ!!

ひめねえさま

少女 1:姫姉様が!

ひめねえさまし

姫姉様 死んじゃった…

みオ-ムいかしずくだこたにまも

大ババ:身を もって 王虫の 怒りを 静めて 下されたのじゃ. あの 子は 谷を 守ったのじゃ!!

ユパ:おおっ!!

ひかり

クロトワ:な, なんだ この 光は!?

ナウシカ:…テト…

オ-ム

よかった. 王虫, ありがとう. ありがとう!

きせききせき

ゴル:奇蹟じゃ! 奇蹟じゃ!

ゆうあいオ-ムこころひら

大ババ:オオ なんという いたわりと 友愛じゃ… 王虫が 心を 開いて おる.

こどもたちめかみ

子供達よ… わしの めしいた 眼の 代わりに よ-く 見て おくれ…

ひめねえさままさおいこくふくききんいろくさはらある

少女 1:姫姉様 真っ青な 異国の 服を 着てるの. まるで 金色の 草原を 歩いて いるみたい…

大ババ:オオ!!

ものあおころもこんじきのおた

'その 者 青き 衣を まといて 金色の 野に 降り立つべし----'

オオ……

さま

少女 1:ババ様.

ふるいつたまこと

大ババ:古き 言い伝えは 誠であった…

少女 2:あっ 見て.

少女 1:ああ!!

男 1:メ-ヴェだ!!

かぜかぜもどき

男 2:風だ!! 風が 戻って 来た!! 



作成者:河 周瑩(haime - Hitel)

作成日:1995年 7月 15日 



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